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「お、くるっぽー」
 病院近くの公園で待ち合わせをして、昼メシでも、と二人そろって歩き出した矢先、ヒロさんがある一点を見つめながらそんなことを呟いた。
「くるっぽー?」
 不思議に思いつつ辿ったヒロさんの視線の先には、一羽のハトが歩いていて。
くるっぽー。内心で噛みしめるようにもう一度呟いて、見つめたヒロさんの横顔はごくいつも通り。今日天気良いなとか、何食べる、とか。そういう、何でもない顔をしていた。ヒロさん、ハトのことをそんな風に呼ぶのか。なんだかそれってすごく
「かわいいです」
そうかぁ?」
 なんて言いながら怪訝そうな顔をして見上げてくるヒロさんに、俺はふにゃりと頬が緩んで笑みがこぼれてしまう。

 ハトじゃなくて、ヒロさんの事ですよ。

 そう正直に言ってしまうと怒られてしまいそうだ。
 それでも愛おしい気持ちは抑えきれなくて、隣をのんびり歩くヒロさんとの、ほんの僅かの距離を縮めるように寄り添う。少し眦を染めてたじろいだ風のヒロさんの手を取る代わりに、俺の二の腕に軽く触れた肩の感触を心地よく感じながら歩く昼間の公園は、明るい太陽に照らされて長閑そのもの。
 多分これから俺もそう呼ぶだろうな、なんて思いながら、何となく先ほどのハトに視線を送りつつ、その横を通り過ぎた。

 くるっぽー。